唯の家に泊まるとき、ベッドに俺が左側に寝て唯は右側に寝る。


唯はクセなのかひとりで寝ているときも左側の俺のスペースを空けているようで笑いが溢れる。


「上原くん…」


「ん?どうした?」


唯に返事をするけれど、唯は目を瞑ったままだった。


寝言か…。寝ながらでも俺の名前を読んでくれるのは嬉しいような、恥ずかしいような。


「上原くん、ずっと側にいて…。由香里さんのところには行かないで」


寝言は唯の深い部分で思っている想いなのか、うっすらと涙が一筋落ちた。


ごめんな、ずっと気持ちに応えられなくて。


指でそっと涙を拭う。


「あぁ、ずっと唯の側に…。この先は起きてる唯に言わなきゃな」


ちゃんと伝えるから、唯が好きだと。


そして、唯の頭を優しく撫でると唯はゆっくりとその瞳を開けた。