料理が下手なのに凝り性なうちの母親は良い食材やちょっと高い調味料を好んで買っている。


それが生かされるときなんてほぼまぐれでしかないが。


しかし、残念ながら俺自身もこの食材を上手く調理する自信がないのでパタリと静かに冷蔵庫の扉を閉めた。


唯ならきっと上手く調理するんだろうなぁ…と考えたら急に唯に会いたくなった。


今日はカテキョのバイトだから会わない予定だったけれど、今から会いにいこうか。


唯に電話したけれど出なかったから、今から家に行くとメールを送ったけれども返信はなかった。


どのみち夕飯を買いに出かけるから、唯の家にも寄ってみよう。


いたら唯を連れて久々に外食でもいいし。


そう思い立って唯の家に着いたけれどやはりまだ返信はきてなかった。


唯から貰っている合鍵で入ると寝室の方から寝息が微かに聞こえた。


「唯ー、入るぞー」


扉を開けると案の定ベッドに横になって寝ている唯の姿が。