「え、そうなんですか…?それは、どんなお人なんですか?」
「…それは内緒です。ですが私が心から大切にしたい人ですよ。」
「…そう、ですか。」
「…例えこの想いが叶わなくても私には“約束”があるから大丈夫です。」
「……っ…!」
陛下の言葉に私は微かに目を見開いた。
え…?
「…そうですか。よっぽど好いておられるのですね?その方を。」
「はい。」
何で…?
「羨ましいなぁ。エリック様にこんなに想われてるなんて…」
そんな事を思っているとカルナ様が一歩下がった。
ガラッ…
後ろの崖の岩が崩れた。
「きゃっ…」
「危ない!!」
そこは足の踏み場がなく、カルナ様の身体はスローで後ろに傾いていった。
「……っ…」
ダッ!!
私は無意識に身体が動いていた。
そしてカルナ様の腕を掴んで引っ張って後ろに投げた。
「ユラ!?」
ドボンッ!!
反動で私の身体は海へ落ちた。