「……っ…ユラ、お前正気か?ここは俺に任せて…」
「そ、そうですよ!ここは俺に…」
ライさんは動揺して思わず素が出た。
チェスさんも動揺してる。
「いいえ、恐らくあの者達の狙いは陛下。それに護衛の中で唯一女で見た目が弱そうという理由で私をも狙ってる。それなら私はのってあげようかと。ふふっ」
黒い笑みを浮かべてそう言うと2人はゾクッと背筋が凍った。
「…ははっ、やはりユラはクラハに似ている。久しぶりに背筋がヒヤッとしたぜ。」
「確かに…」
「ふふっ、まだまだ父様には勝てませんよ。…とにかく、任せましたよ。」
「「御意。」」
頭を下げて中に入った2人を見送り、
今尚感じる気配を確認して私は歩き出した。


