この国は水と果物が盛んで、観光名所でもあるこの街はかなり賑わっていた。
「…しかしすごい人だな。」
「そうですね。ここの水と果物は人気ですから。」
「まぁ、確かに…城で使ってる水や食ってる果物はほとんどこの国のだからな。」
「そうなんですか!?」
ライさんの言葉にチェスが食いついた。
そんな様子に微笑みながら街の人々を見ていると…
ピクッ
「………っ!!」
どこからか強い気配を感じてバッと後ろを振り向く。
ライさんとチェスも感じたのか鋭い視線で気配の主を捜す。
だけどそれらしき人物は見当たらない。
気のせいか…?
「どうかしましたか?」
陛下に不思議そうな顔でそう聞かれて
「…いえ、何でもありません。気のせいだったようです。」
そう言って私達は前を向いた。
ライさんやチェスさんも前を向く。


