「これね、実は私が作ったんだよ。」
「え、エリックが…?」
「うん!上手く出来て良かった!」
エリックが…
「…昔は失敗していたのにね。」
「う…それは言わないでよ…」
「ふふっ。」
昔、エリックは私の為に何度かお粥を作ってくれた。
だけど昔のエリックはお粥を作ろうにも焦がしてしまったり、塩を入れ過ぎて辛かったり、塩と砂糖間違えたり、終いには爆発させたり…
よく台所をめちゃくちゃにして先王様や王宮シェフ長、そしてメイド長にも怒られていたな。
「さて、ユラ!薬だよ。」
「……うっ…」
思い出に浸っていたのにエリックの言葉で一気に現実に戻ってしまった。
ニコニコ笑顔のエリックとは反対に真っ青になる私。


