「…驚くのも無理はないな。本当は副総団長の義兄さんに譲るのが普通だが、私はもう決めたのだ。まぁ、今すぐにではないが…時期が来たらお前に総団長の座を譲るつもりだ。」
「…どうして…そんな急に…」
「私ももうすぐ50だ。キリがいいと思ってな。」
「そんな…父様!」
「お前ももう20だ。立派な大人だ。だからお前に総団長を譲っても良いと思ったのだ。」
「父様…」
「分かってくれ、ユラ。」
「…私に総団長を譲った後は父様はどうするのですか?」
「…城を出て、ただのクラハとして旅をしようと思う。」
「旅?」
「そうだ。城にいる間はあまり出来ないからな。」
「……っ…」


