だけど
「…ありがとう。だけど本当の事よ?」
「え…?」
ユラの意外な言葉にスンは驚いた。
「…それに私、あの方と約束したから…この気持ちは忘れるって…そしてあの方を想って泣くのはあの時が最後だって。次からは笑って過ごすって。今また泣いてしまったら、あの方への想いに蓋をして鍵を掛けた意味がなくなる。だから泣かないの。」
「ユラ…」
「それに私はこの国の騎士であり一軍の軍団長。恋愛なんかで一々弱っていたら身体がいくらあっても足りないよ。」
「…そっか。」
スンはユラの言葉に笑顔で頷いてくれた。
…ありがとね、スン。
本人には恥ずかしくて言えないけど、心の中で感謝した。


