部屋を見渡して近くのソファに腰掛けると
扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ〜」
入室許可を出すとガチャっと扉が開いて
エリックが入ってきた。
「…エリック?どうしたの?」
「いや、ユラが城に移ったと聞いて様子を見にきたんだ。…調子はどう?」
「うん、大丈夫。この子がいるから無茶出来ないし。」
「いてもいなくても無茶はダメだよ。」
「ふふっ、そうね。」
「はぁー…ユラだ…ユラが城にいる…」
エリックが私の隣に腰掛けてぎゅーっと抱き付いてきた。
「ふふっ、どうしたの?お疲れ?」
「ユラが足りない…」
「もう…今はダメよ。まだ不安定なんだから。」
「分かってるよ。だから抱き付いてるんだよ。」
「そっか。」
その言葉に私もこてんっとエリックの方へ身体を預けた。


