そしてその日の夜
私は陛下の自室へ向かった。
「…まだ仕事かな?」
不安になりながら陛下の自室の角を曲がると
部屋前には警備の騎士がいた。
「あ、総団長!お疲れ様です。」
「お疲れ様。陛下、部屋にいる?」
「はい。今日は早く仕事が終わったらしく休まれていますよ。」
「そっか…それじゃあまた明日で…」
ガチャッ
休んでいるなら、と話は明日にしようと踵を返そうとすると部屋のドアが開いた。
「ユラの声がしたけど…いるの?」
「あ、陛下!」
部屋から出てきた陛下に警備の騎士達は急いで頭を下げる。
そして陛下の目が私を見つけると
「やっぱりいたっ!ユラ、どうしたの?」
「あ…えっと…」
久しぶりにみる陛下の姿に私は一気に緊張してきた。


