肩から血を流していて息が荒く、顔色も悪い。 額には汗が滲んでいた。 「何てこった…一体何が……っ…!!」 よく見ると近くの木に矢が刺さっていて 反対側には数人の男が倒れていた。 まさか、毒矢か…? 「…くそっ…!!」 このままじゃ危ない。 取り敢えず兵舎へ運ぶか。 懐から布を出して細く裂くとユラの肩をキツく縛って毒が心臓にいかないようにした。 「ユラ、死ぬなよ…」 俺はユラを抱き上げて出来るだけ揺らさずに兵舎の方へ向かった。