「…申し訳ありません。お怪我は?」
「大丈夫。」
「私も。」
「そうですか。それは良かったです……っ…」
腕を動かすとピリッと右肩が痛んだ。
掠ったか…
「…ユラ?」
「何でもありません。お前達、先にお2人を兵舎へ。私はやる事があるので…」
「「「承知。」」」
そして騎士達がどこか心配そうにしている陛下達を連れて歩き出した。
姿が見えなくなると
「……くっ…」
ふらっ…
急に目の前がぐるぐる回って壁に手を付いた。
そして背中を付けるとユラの身体がズルズルとずり落ちていき…
「……っ…はぁ…はぁ…」
やはり毒矢だったか…
ユラの額には汗が滲み出ていて息も荒くなっていた。
右肩辺りが痺れている。
多少の毒には耐性があるが少し強めの毒だったらしい。
意識の限界を迎えて朦朧と瞼を落としかけた時
「…ユラ…!!」
…この声は…伯父様…?
でもごめん…もう限界だわ…
そして私は意識を落とした。


