驚いて顔を見ると
私達と同じく鼻と口を覆った陛下だった。
「エリック!?」
「ユラ危なっかしい。んで、どこに運ぶの?」
「…ちょっ…」
「ユラ。」
「…ついてきて。」
そして私達はスタスタと歩き出した。
「エリック、どうして国王であるあなたがこんな事を…ヒュジン様に知られたらタダではすまないわよ!?」
「うん。ユラ達見てたら国王だからって何もしないのは嫌なんだよ。私のせいでこんなに貧しい街があるんだから…」
「エリック…」
「それに、ユラと一緒に居られるから!」
「エ、エリックっ…」
もう、こんな時まで…
私は思わず顔を逸らした。


