その子は病で吐いたらしく、近くの土には物があった。
「…大丈夫よ。大丈夫だから。」
私は安心させるように声をかけて背中をゆっくり胃に戻すように摩る。
「…うぅ…はぁ…はぁ…」
男の子が少しずつ落ち着いてきた。
「…今空き部屋は?」
私は男の子の口を布で拭きながら狼狽えていた新人騎士に問う。
「…えっ…あ…一室、空いてます…」
「じゃあそこに運ぶから用意して!部屋の窓開けて、布団は取り替えて!桶に清潔な水を汲んできて!早く!」
「は、はい!」
「俺も手伝います!」
「俺も!」
手が空いたベテラン騎士達も合流して新人騎士達は急いで走っていく。
私は男の子を抱いて向かおうとすると
横からスッと男の子を奪われた。


