その時






バンッ







「失礼します!!」






急いだ様子で騎士が駆け込んできた。







「どうした?」





ライさんが対応する。






その騎士の報告を受けたライさんが目を見開いた。





そして私の元へ来て






「報告致します。ユラの居場所はグリナダ街の倉庫との事です。」







「…グリナダ街…?あそこは確か…」






“グリナダ街”は賭博や闇の市と化している街。







知らない人はいない程。







「ライさん…」



「…はい。私の妹であり前総団長クラハ・リンガードの妻でユラの母…ミラ・リンガードが殺された場所もグリナダ街なのです。最も恐れていた自体に…」







「何ですと…!」







まさか…






「…ヒュジン、ライさん。」









「「はっ。」」









「準備をせよ。すぐにグリナダ街へ向かう。ユラを助ける。」







「ですが陛下、身体が…」








「私は大丈夫です。直ちに準備をせよ!」







「「御意。」」











そしてヒュジンが出て行き
ライさんも出て行こうとしたが私は呼び止めた。








「ライさん。」









「はい?」











「ユラは、必ず助けます。」










「……っ…はい。」












ライさんはペコリと頭を下げて去って行った。






最愛の妹と、義弟であり戦友のクラハさんを亡くしたライさんにとって姪であるユラは唯一の身内で形見。









ユラ、無事でいて…










ジンside end