それを愛と呼ぶのなら

お互いが必要だと思ったものを一通り購入した時には、時刻は既に18時半を回っていた。

真尋に強請って、パンダのスリッパも買っちゃった。

真尋にクマを勧めたら、全力で拒否されたけど。



ルクアの中を抜けヨドバシカメラを通り越した時、見えてきたのは何とも不思議な形のビル。

ふたつのビルが真ん中らへんと上で繋がってる。


へぇ、これが……。

てことは、あの上が空中庭園かな。


ビルを見上げる私を余所に、真尋は足早にビルの中へと入っていく。

コンパスが長いから、追いつくのが大変だよ。


「地下だったよな」

「うん。滝見小路ってとこの郵便局の前で笹舟配布してるって書いてた」

「了解」


真尋と共に地図を確認してから、階段を下りていく。

学校帰りの学生なんかも多く、みんな楽しそうに縁日などのイベントを満喫している。

いいなぁ……私もこんな風に、普通の高校生活を送りたかったなぁ……。


「……あ、あそこだな」


真尋の声に、自然と下がってしまっていた視線を上げる。