桃くんより少し大人になる自分がイヤで
それでも成長していく桃くんを見ていると寂しくて
女の子に囲まれている桃くんを見たくなくて
隣にいることが特別だと感じて
……気づいたら、好きになってた。
多分、好きになる理由はあちらこちらに落ちていた。
それをひとつひとつ拾っていけば、きっと手のひらに収まりきらない。
それくらい、桃くんには多くの魅力がある。
きっとあたしは、自然と…まるで本能みたいに桃くんのことを意識していた。
赤面症なのは、多分桃くん限定だ。
桃くんがあたし限定で抱きつき癖があるように
あたしには桃くん限定の赤面症があるんだと思う。
ねぇ、桃くん。
桃くんにとって、あたしはどんな存在?
本当はわかってる。
桃くんの抱きつき癖があたし限定なのは、ただ単にあたしに一番懐いているから。
きっとそれだけだということを。
それでもほんの少しだけ期待しているのは、桃くんのせい。
桃くんが、自惚れさせるようなことをするから。
桃くんが、あたしにばっかり抱きつくから。
……ねぇ知ってる?桃くん。
本当はあたしだって、抱きつきたいんだよ。



