い、いきなりのことに、頭がついていかないよぉ。


でも……つまり……、これって、両思いってこと?



「雪ちゃんの返事、聞かせて?」


「え、あ、う………、あ、あたしも、桃くんのことがす――」



好き、と言い終わる前に、再び桃くんの唇とあたしの唇が重なった。

甘い甘いキスが、降り注ぐ。



「、き」


「もう一回聞かせて?」


「……だ、大好き!!」



真っ赤な顔を隠すことを諦めたあたしは、桃くんのいたずらな笑顔に負けて、大きな声でそう叫んだ。

ちょっと声が震えたことは、見逃して欲しい。



「ふふっ、僕もだ~いすき」




可愛い桃くんの甘い甘い癖。

それは、仕組まれた罠。


スキという気持ちが溢れるこの日常で、あたしたちはまたとびきり甘い高鳴りを感じる。



可愛い天使のようで、実は独占欲溢れる小悪魔。


桃くん色に染まったこのハートを包み込むように、今日も明日も明後日も、桃くんはあたしに抱きつく。

そして、あたしは赤くなりながら抱きしめ返す。



……あぁ、もう。

桃くんのせいだ。


あたしの胸の中が、甘くとろけちゃいそうになってるのは。