赤くなっていく顔を両手で隠すように覆いながら、何度も桃くんから視線を逸らしては合わせる。
「ご、ごめんなさいって……言ったよ」
「そっかぁ!!」
恥ずかしがりながらそう言うと、桃くんは急にご機嫌になった。
上機嫌な桃くんの笑顔に、あたしは首をかしげる。
「よかった〜♪」
「え?」
よかった……?なんで?
さっき王泉くんも言っていた「よかった」という言葉に、あたしはキョトンとした顔で桃くんを見る。
すると、桃くんはニッと笑みをこぼした。
「雪ちゃんは僕のだからね!これから誰かに告白されても、僕がいるからダメって言うんだよ!?」
「……え!?それってどういう……」
「だから~!」
ギュッ!と、真正面から抱きしめ直した桃くんは、いたずらっ子のような笑みを浮かべながら、チュッとあたしの唇を奪った。
一瞬のことで、あたしはどうすることもできずに固まってしまう。
「雪ちゃんが大好きってこと!」
……え?
りんごのように真っ赤な顔は、今にも爆発してしまいそう。
「この癖だって、本当は雪ちゃんを独占したくて始めたやつだし」
「……え!?」