お母さんが私を呼び出すのはそう珍しい事ではない。



いい事があって話すならまだ良いけど、模試の順位が1ランク落ちた時とかの場合は本当に大変。



吉野家の伝統から始まり、ひいおじいちゃんの医学界での快挙やら何やらという話が永遠と続く。



この間なんてそのせいで学校に遅刻しそうになった。



「まあまあ、桜さんももう大丈夫だと思いますよ?そこら辺にしてあげて下さい」



ギリギリで最上さんが助けてくれたから良いもの……本来ならあと3時間は続いただろうな。



今日は……どうだろう?



でも最近はきちんと勉強で1位をキープしてるし、先生からの評価も悪くないし、大丈夫だろう。



うん、絶対にいける。



私は小さくガッツポーズをした。



それを見て、最上さんはクスッと笑った。