ピピピピ、ピピピピ、ピッ。


聞き慣れた電子音を止め、まだ温かさが残るベッドから這い出る。


窓から伸びる一筋の光が、妙に現実味を帯びていて悲しくなった。


この光景を何度拒んだ事だろう。


朝が来てほしくないと、何度思った事だろう。


「桜!起きてるの?早く学校に行かないと遅刻するわよ‼︎」


「い、今行きますっ!」


クローゼットを開け、制服を手にすると胃がキリキリと痛み出した。


学校、行きたくないな・・・・・・


前に何度かお母さんに頼んだんだけど、


「何言ってるの⁉︎あなたは有名大学に入って私の後を継いでもらうのよ。こんな大事な時期に学校を休みたいだなんて、あなたをそんな子に育てた覚えはないわ‼︎」


大学病院の院長として私に後を継いでほしいらしく、怒鳴られて終わりだった。