真夏の恋心

家を出ると、やはり肌寒かった。


でももう日が昇っていて、薄い雲が青空にかかっていた。


いよいよ学校!ってところか。


あ、手袋忘れた。まあいいや。


私は自転車の鍵をあけると、自転車を車庫から出した。


そして私は腕時計を見る。


6:30だ。私の学校は家から40分くらいはかかるからこれくらいにはいつも家を出てる。


流石にここから歩いて通う人はいない。


でも皆なら7時くらいに出てもいいんじゃね?って思う人もいるかもね。


8時に朝の活動が始まるから、50分くらいまでに来てればいいけど、私は生徒会の役員で仕事があるから、皆より早く出てるんだ。


私ってちゃんと役割やってんだよ?偉くね?


他の人サボってる人多いからさー、私とか他の数人がやんなきゃいけないわけ。


まぁ今日は明日の入学式の準備とかかな?まぁ私は基本雑用係だから。副会長なのに。


本来なら雑用とかやんなくてもいいのにな~。


副会長だからサボるわけにもいかないし、生徒会の役員って集会とか寝れないんだよ?運営任されてるし。


大変だよね~。しかもうちになんであんなに投票入るのって。


2番目と40票差だって、誰よいれたの。殺すぞってね。

私が自転車に乗ろうとすると、

『乙葉おっはー』


私の横を通り過ぎてったのは、早苗だった。


早苗は、私によく話しかけてくる同級生だ。


実はこの子が主人公だったり。


今までは接点がなかったけど、生徒会で一緒になってから声を掛けられた。


『水島 乙葉さん。あたし、根岸 早苗(ネギシ サナエ)。よろしくね!』


明るそうな子だけど、どこか隠し事がありそうな気がする。


なにかをずっと抱え込んでるけど、笑って誤魔化してるような。


それは、私があることを尋ねると変わる早苗の表情。笑っているようで笑ってない。


私はそれを密かに探っている。