キミは僕に好きとは言わない



……何を言ってるんだ、この幼なじみは。


好き?付き合え?

そんな真剣に見つめられても、冗談にしか聞こえない。


「は?なんの冗談……」

「冗談なんかじゃねーよ!」


いつもとは違う、荒い言葉遣い。

焦っているように感じるのは、口調が違うせい?


「あんな変態に、なずなを取られたくないんだよ………!」

「なっ……先輩は変態じゃないから!」

「知り合ったばかりの後輩に手を出すなんて、どう考えても変態だろ!」

「違いますぅ!」


だって、先輩はすっごく優しいもん。

桃矢は先輩のこと、絶対に勘違いしてる!

先輩が気に入らないからって、わたしにまで嫌がらせすることないじゃん。


「んだよ……否定ばっかしやがって……」


ガシガシと髪の毛を掻きむしって、明らさまに嫌な態度を取る桃矢。


いつも大人しいくせに、急にキャラチェンジ?

どんなに強がったって、どうせ中身はヘタレなままでしょ。


桃矢がなんと言おうと、わたしの気持ちは変わらない。

わたしが好きなのは、萩原先輩だもん!