杏奈が意識不明の日から4ヶ月。
お医者様はもう無理かもしれないと言っていた。

でも、

「う…っ」


「あん…な…?」


「んー…眩しい…」

「ここがどこか分かるか?」

「病院?なんで私ここにいるの?」


そう思って杏奈が体を起こそうとすると、体に力が入らずまた寝る形となってしまった。


「俺がわかるか?」

「蓮也…?」

「あぁ。蓮也だ。先生呼ぶな。」

杏奈はもう声が出ないのかコクンと1つ頷いた。

「あ、先生?杏奈が目を覚ましたんだ。
え?意識?うん。あるよ?
うん。わかってるみたい。
忘れられてなかったんだよ笑」

10分後

コンコン

「失礼するよ。」

「あ、先生?」

「杏奈ちゃん、良かった良かったふぉっふぉっふぉっ。」

あのあと、蓮也がすぐに美穂と恭太を呼んで久しぶりに4人で話した。

たったひとつ、自分たちのことを除いて。