今日は4時間授業だったため、私たちのクラスは、ホームルームを終え、皆ぞくぞくに帰っていた。

龍我くん…長谷川くん…どうしよう、なんて呼んだらいいかな…。


私が悩んでいた時、みおがこちらに駆け寄ってきた。

「なーに悩んでんの?あ、ひょっとして、長谷川龍我のこと〜?」

「なっ!…ちがうよ!全然ちがう!」

「はぁ。まったく…ゆめは分かりやすいんだから。」

そう、みおは、私の思ってることを的中させる超エリートなのだ…。

「で、どうなの?」

「……へ?」

「正直、長谷川龍我のこと、気になってきちゃったりしてんの?」

「し、してないし!」

「ふーん。」

みおは一瞬、つまらなそうな顔をしたが、すぐに他の話題を出してきた。

「ねえ、そういえばさ、ゆめって、部活とか入るの?」

–––そっか。部活か。

「うーん。特にまだ決まってないかな。でも私、中学からバスケやってるから、一応バスケ見に行ってみたいな。」

「そっか!私も少し気になる部活があるから、今日の部活見学のあと、校門で集合してカフェ行こ!」

「うん!わかった!」

私たちは、別々の場所に向かった。私は体育館へ、みおはブラスバンド部の部室だ。