「真子と付き合ってるん?」
会議室に入って、息つく間もなく、市埼さんに聞かれた。
「はい、そのように思います。」
「なんやのん、その返事。」
クツクツクツと笑い、市埼さんは自分の前に座る様に促す。
「今日は、この企画書のことでな・・・・・・・」
と、真剣な眼差しで話し出す市埼さんに少しだけ、驚いた。
いつも飄々としている市埼さんの意外な一面。
きっと、平川さんはこれを気にしてるんだなって思った。
そうこの人が『3人並べば壮観よねぇ。』の、3人目。市埼ギン。
営業部イチ、いやいや、社内イチ女誑しの彼に、落とせない女はいないだろう。
その切れ長で双眸を開けることのない目、男のくせに透き通る様な白い肌、長い手足。
極めつけはこの甘い声。
ゆるい京訛りがその声を一層惹き立てる。
ぼーっとそんな事を考えながら、市埼さんの顔を見つめてれば、
「そんなに見つめんといて。穴開くわ。」
と、クククと揶揄われた。
「違いますッ!違いますッ!」
「何が違うん?僕を見つめてた事?それとも、僕の事を考えてた事?」
さらにクツクツクツと笑われ、グッと距離を縮められた。
いつの間に?と思うほどの素早さで私の横へと移動してきた市埼さんにドキッとする。
と、コンコンと会議室の戸を叩く救世主の音。
「すみません、一課の九条です。七瀬さんに用事があって来ました。」
その声は今日から私の代わりに平川さんのアシスタントに就いた後輩の美咲の声。
「すみません。」と、市埼さんに声を掛け、その声の主にし入室許可を与える。
「九条さん、どうぞ、入って。」
促されるまま会議室に入って来た美咲。
平川さんから任された資料が作れないと助けを求めた来た。
今は私も打ち合わせ中だからと、簡単に作成の仕方を教え、後は戻ってから見ると指示を出す。
「わかりました。」と返事をした美咲は踵を返し、会議室から出て行こうとする。
「ちょお待ち。」
ギンのお声が掛かる。
「はい。」と振り返る美咲はギンのお眼鏡に適ったのだろうか?
「君、九条なんて言うん?下の名前。」
「美咲です。九条美咲です。」
「美咲ちゃん、言うんやね。もう行ってええよ。」
市埼さんが美咲に好意を持った事は一目瞭然で、これを仕組んだのは平川さんなのか、どうか?
一人ほくそ笑む私が居た。
会議室に入って、息つく間もなく、市埼さんに聞かれた。
「はい、そのように思います。」
「なんやのん、その返事。」
クツクツクツと笑い、市埼さんは自分の前に座る様に促す。
「今日は、この企画書のことでな・・・・・・・」
と、真剣な眼差しで話し出す市埼さんに少しだけ、驚いた。
いつも飄々としている市埼さんの意外な一面。
きっと、平川さんはこれを気にしてるんだなって思った。
そうこの人が『3人並べば壮観よねぇ。』の、3人目。市埼ギン。
営業部イチ、いやいや、社内イチ女誑しの彼に、落とせない女はいないだろう。
その切れ長で双眸を開けることのない目、男のくせに透き通る様な白い肌、長い手足。
極めつけはこの甘い声。
ゆるい京訛りがその声を一層惹き立てる。
ぼーっとそんな事を考えながら、市埼さんの顔を見つめてれば、
「そんなに見つめんといて。穴開くわ。」
と、クククと揶揄われた。
「違いますッ!違いますッ!」
「何が違うん?僕を見つめてた事?それとも、僕の事を考えてた事?」
さらにクツクツクツと笑われ、グッと距離を縮められた。
いつの間に?と思うほどの素早さで私の横へと移動してきた市埼さんにドキッとする。
と、コンコンと会議室の戸を叩く救世主の音。
「すみません、一課の九条です。七瀬さんに用事があって来ました。」
その声は今日から私の代わりに平川さんのアシスタントに就いた後輩の美咲の声。
「すみません。」と、市埼さんに声を掛け、その声の主にし入室許可を与える。
「九条さん、どうぞ、入って。」
促されるまま会議室に入って来た美咲。
平川さんから任された資料が作れないと助けを求めた来た。
今は私も打ち合わせ中だからと、簡単に作成の仕方を教え、後は戻ってから見ると指示を出す。
「わかりました。」と返事をした美咲は踵を返し、会議室から出て行こうとする。
「ちょお待ち。」
ギンのお声が掛かる。
「はい。」と振り返る美咲はギンのお眼鏡に適ったのだろうか?
「君、九条なんて言うん?下の名前。」
「美咲です。九条美咲です。」
「美咲ちゃん、言うんやね。もう行ってええよ。」
市埼さんが美咲に好意を持った事は一目瞭然で、これを仕組んだのは平川さんなのか、どうか?
一人ほくそ笑む私が居た。

