四百年の誓い

 水上。


 与党幹事長・丸山乱雪の北海道事務所を取り仕切る人物。


 東京での政治活動に忙しく、なかなか地元入りのできない丸山に代わり、地元函館にて事務所を守っている。


 そして優雅母子の後見人的存在。


 子供の居ない水上夫妻は、両親の愛に飢えていた優雅の親代わりを、幼い頃から務めてもいたのだった。


 そんな水上が、なぜこんな所に?


 日曜日の早朝、歓楽街の片隅。


 道行く人も少ない、シティホテルの正面。


 偶然通りかかるようなはずもない。


 なのになぜ?


 「優雅さま、空港までお送りいたします」


 優雅も美月姫も混乱していた。


 突然の水上の登場に対する驚き。


 と同時に、なぜここに水上が現れたのかという疑問。


 (つけられた? 待ち伏せされた?)


 泊まっているホテルまで突き止めるとは、水上単独では不可能だろう。


 (丸山……乱雪?)


 忍び寄る影を、美月姫は確信する。