四百年の誓い

 「先生にも?」


 圭介には昔亡くなった恋人とは別に、運命の人が存在しているのかもしれない。


 出会えずに、気付かずに。


 「美月姫」


 不意に優雅は、美月姫をまっすぐに見つめる。


 「美月姫のは……俺だよね?」


 運命の人は自分なのかどうかを確かめる。


 「優雅くん」


 「先生じゃなくて、俺だよね?」


 「!」


 勘のいい優雅が、圭介とのことを察したんじゃないかと、美月姫は危惧した。


 「優雅くんしか、あり得ない……」


 そうとだけ答え、圭介との過去に目を閉じた。


 「よかった」


 優雅は安堵の表情を浮かべる。


 「親の敷いたレールを無視してでも、欲しいと思った女(ひと)は、美月姫だけだから」


 圭介との苦い思い出と、優雅との行く手を遮る障害。


 いくつかの不安を抱えつつも、優雅の手を離したくはないと美月姫は改めて感じた。