四百年の誓い

 「先生は亡くなった恋人を未だに想っていて、ずっと一人なんだよね」


 優雅は美月姫に語りかける。


 「今でも悲しい恋を引きずる人の前で、過度にはしゃぐのはよくないよね。でも美月姫がそんなに、気にする必要はないんじゃないかな」


 「優雅くん」


 「先生のことを気にするあまり、俺たちが遠慮するのも不自然だし」


 「……」


 「子供の頃、母さんに言われたんだけどさ」


 晴れない表情の美月姫に、優雅は子供の頃、母の紫から聞かされた話を教えた。


 「人には必ず一人、人生を共にすべき運命の人が存在するんだって」


 「運命の人?」


 「うん。母さんみたいに結婚という形を残せない場合もあり得るけど、生涯を共にすべき運命の人は、この世に絶対にいるんだって」


 結婚という形を残せない。


 その一言がまた美月姫の心に重くのしかかるが、


 「だから先生にも、きっとどこかにいるんだよ。運命の人が。まだ出会えてないのかもしれないし、もしかしたらもう出会っていて、気づいていないだけなのかもしれない」