四百年の誓い

 「美月姫? どうしたの」


 鏡の前で悲しげな表情を浮かべる美月姫に、ようやく起きてきた優雅は尋ねた。


 「いいのかな」


 「何が?」


 「私たちだけが幸せになってもいいのかな」


 「だけ、って? 他に誰のこと?」


 「吉野先生」


 「先生が? なぜ?」


 「……」


 理由を説明するには、去年の夏の美月姫と圭介の関係を優雅に伝える必要があるが、


 「先生には今までたくさん相談に乗ってもらったし。勉強や進路のことだけじゃなく、卒業後は恋愛のことまで」


 圭介のことが好きで、かなり強引に迫ったことまでは美月姫は伝えられなかった。


 一生、胸の奥に秘めておこうと。


 「俺たちが今こうして一緒にいられるのは、先生のおかげもあるよね」


 うつむく美月姫の肩を、優雅は優しく抱いた。


 「だから先生一人を置いてけぼりに、私たち二人で盛り上がるのはなんか申し訳なくて」