四百年の誓い

 ……。


 「昔の暦だったら、俺と美月姫は一歳違いだったんだよね」


 ベッドの中で優雅は、そんなことを口にした。


 「私が一つ年下?」


 少しまどろみかけていた美月姫は、優雅の声に反応した。


 「昔だったら暦は元旦で区切られたから、早生まれの私は優雅くんより一歳年下ってみなされた、ってことかな」


 「美月姫は妹って感じはしないな。どちらかといえば姉みたい」


 「私が優雅くんのお姉さん?」


 ちょっと意外で、美月姫は苦笑する。


 でも言われてみると、二人でいる時、主導権を握っているのは優雅にみえて。


 物事の重要な局面で決断を下すのは、美月姫のほうが多いような気がした。


 (私が、お姉さん……?)


 急に眠気のようなものに襲われた美月姫の意識が、混濁してくる。


 (冬悟さま、そのような子供じみた悪戯は、なりませぬ)


 (姫はまるで、我が姉のようだ)


 (私が姉でございますか)


 (私には母を同じくする姉妹がおらぬゆえ、他の異母兄たちが姉に優しく諭されるのを見て、ずっと羨ましく感じていたのだ)


 優雅と同じ声が、美月姫の耳に響いてくる。