四百年の誓い

 「お誕生日おめでとう」


 宿泊先のホテルに移動後、美月姫は改めて優雅に告げた。


 部屋にワインを持ち込んで祝う。


 やはり地元であるここ函館では、周囲の目が気になって……。


 「美月姫の誕生日は、四月一日だよね」


 「そう、嘘みたいな日」


 優雅は日付や年号を覚えるのも天才的だった。


 クラスメートの名前や誕生日は、一度聞けばすぐに覚えた。


 「だけど美月姫がぎりぎり、四月一日に生まれてくれてよかった」


 「あと一日遅れで、学年も違ってたわけだもんね。そしたら当然、同じクラスにもなれなかったし、会えなかったかもしれない」


 「それは違う」


 優雅はあっさり否定した。


 「どう違うの?」


 「俺たちは、どんな隔たりがあろうとも絶対に出会っていた。そんな気がするんだ」


 「そうかも……」


 偶然のように思えて、全ては必然。


 定められた運命。


 美月姫もそう信じられた。