四百年の誓い

 「それは美月姫が、あまりに綺麗だからだよ」


 美月姫の不安を笑い飛ばすかのように、優雅は美月姫を抱きしめた。


 「こうなる運命だったんだ。前世から」


 (前世?)


 前世からの運命と言われると、何となく信じてしまう自分がいる。


 それは美月姫の心を一瞬は満たすと共に、再び不安にもさせる。


 (私はいつまで、この人のそばにいられるのだろう)


 影のように忍び寄る不安に、美月姫はいつも怯えていた。


 「幹事長とは何とか話を付けるから。いつかは美月姫と一緒になりたい」


 あてのない未来。


 (そんなこと、本当に可能なの?)


 嬉しいというより、美月姫は不可能な夢にしか思えなかった。


 万が一優雅が政略結婚の相手を拒み、美月姫を選ぶようなことがあれば。


 それは明らかに丸山幹事長の顔をつぶすこととなり、今後の両家の付き合いにも影響が出ることが予測される。


 (絶対に許されない)


 美月姫は確信していた。