四百年の誓い

 ……。


 「もう離れられない」


 抱き合った後。


 満ち足りた余韻に浸っている美月姫に、優雅はそっとキスをした。


 二人だけのシティホテルの一室で、短い夜を過ごす。


 「思い切って、幹事長に話してみようかと考えているんだ」


 ベッドに身を横たえたまま、優雅は美月姫に告げた。


 「何を?」


 「美月姫とのこと」


 「私とのこと?」


 美月姫は思わず息を飲んだ。


 「このまま人目を忍んでズルズル続けるのも、良くないと思うし」


 美月姫も確かに、隠れて付き合わなければならない現状には満足できていなかった。


 しかし……。


 「でも、お父様が許してくれるわけはないのでしょう? すでに旧華族、そしてあの福山家の末裔にあたるお嬢様との結婚話も……」


 「好きでもない女と、家の都合で結婚なんてしたくない!」


 「優雅くん」


 優雅が珍しく大きな声を上げたので、美月姫は驚いて黙ってしまった。


 「ごめん、美月姫には何の責任もないのに」


 感情の高ぶりを反省したのか、優雅は即座に謝って来た。