四百年の誓い

 優雅の腕の中から、美月姫は壁の時計を見上げる。


 午前零時。


 腕の中で眠りに落ちている間に、こんな時間になっていた。


 「そろそろ帰らないと……」


 「帰したくない」


 帰宅を切り出した美月姫の唇を、優雅が塞いだ。


 「ずっと……このままでいたい」


 キスを終えた優雅がそっと囁く。


 それは真夜中の寒さで冷えた美月姫の体に、再び熱を与える。


 「夢みたいだ。もう会えないかもとあきらめていたのが嘘のよう。またこうして美月姫と……」


 これが夢ではない事を確かめるかのように、優雅は強い力で美月姫を抱きしめた。


 「夢ならばずっと覚めなければいいのに」


 それは美月姫も同じ思い。


 でも……。


 「もう行かなくちゃ」


 まさに後ろ髪を引かれる思いで、美月姫は布団から上体を起こした。