四百年の誓い

 静香は思わず笑ってしまった。


 「あなたが不祥事を起こしてクビにでもならない限り、私たちは定年までは一緒なのよね」


 「俺がそんなこと、するわけないだろ。もう大村もいないんだし」


 「そうね」


 静香も大村美月姫のことはよく覚えている。


 恋敵だった真姫によく似た少女。


 隠してはいたけれど、圭介が彼女を愛し始めていたことも知っていた。


 立場ゆえに断腸の思いで、愛情を断ち切ったことも。


 「彼女も無事に清水くんと一緒になれたのね。祝福するべきなのかな」


 「当然だろ」


 「やっとそう思えるようになったのね」


 「……」


 優しい夜風が吹いた。


 ふわりと桜の花びらが舞い散る。


 「夜風が冷たくなってきた。そろそろ向こうに戻るか」


 「まだまだ飲み足りないし。行きましょう」


 二人は騒がしい宴会場へと戻り始めた。


 不思議と時間が穏かに流れ出したような気がした。