四百年の誓い

 あれは遠い夏の夜の、一夜限りの過ちで。


 ただ遊ばれただけだと割り切ろう、あきらめようとしていた美月姫だったが。


 体を重ねていた時は、たとえ一瞬だけだとしても、本気で求めてくれていたのだと分かっただけで満足できた。


 「本当にそれだけでいいの?」


 「えっ?」


 「これからも俺と共に歩んでいこうという選択肢は、美月姫の中には存在しないの?」


 「いきなりそんなこと言われても」


 「困る?」


 「……」


 本当は、あきらめかけていた想いが夢じゃないと分かって、嬉しいし満たされる。


 しかし二人の間に横たわる障害があまりに大きすぎて、美月姫にはどうすればよいか見当もつかない。


 「あれこれ難しいことは考えないで、ただそばにいてほしいんだ」


 「でも」


 「もう逃げたりしないから。ずっとそばにいるから」