四百年の誓い

***


 ……先日大学時代の同期である「オタク男」が、本を出版した。


 これまた福山冬雅に関する研究書だ。


 その出版記念会が連休中に、オタクの勤務先である福山城博物館内のホールにて先ほど開催された。


 一通り飲み食いした後、場所を隣の公園に移して花見となった。


 久しぶりに大学の同期たちも多く顔を見せていた。


 近況報告と思い出話に花が咲く。


 何か変化はあるかどうか聞かれても、圭介の周囲にはとりたてて変わったことはない。


 未だに独身。


 ちょっと前までそれを耳にするたびに、合コンや見合いの誘いをしてくる連中は多かった。


 だが年月の経過と共に、徐々にそれも少なくなってきた。


 実家の両親ももうあきらめムードだ。


 仕事を生きがいにしているのなら、無理に相手を探さなくても、好きなように生きなさいと言われた。


 真姫とは結婚の約束をしていた。


 一度は真姫も、承諾の返事を圭介に与えていた。


 だが約束の指輪を残して、真姫は春の海へと消えていった。


 もう、あんな思いはしたくない。


 圭介は二度と恋はしないと誓っていた。


 ただ……。