四百年の誓い

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 ……福山冬悟は、幼名である「龍之介(たつのすけ)」を名乗り、真姫に近づこうと大学に潜り込んだ。


 あの吸い込まれるような黒い瞳に魅入られたら、どんな女でも心が動かないはずはなかっただろう。


 ましてや前世で、再会の誓いを交わした恋人同士であったならなおさら。


 真姫は運命に導かれるかのように、冬悟に引き寄せられていった。


 (俺は……・愛する女が遠ざかっていくのを、黙って見ているしかできなかった)


 悔しくて、強引に我が物にしたくて、無理矢理抱こうとした。


 ……たちまち冬悟の逆鱗に触れ、呪いを掛けられたかのような裁きを受け、体の自由を奪われ、順調だった選手生命も絶たれた。


 だけど後悔はしていない。


 その後、力を失って姿を保てなくなった冬悟と入れ替わるように、真姫を手に入れることができた。


 冬悟を失った寂しさを埋めるだけの存在。


 それでもよかった。


 ひと時だったにせよ、愛する女のそばにいることができたのだから。


 失った時の絶望感は筆舌にしがたいけど、愛した日々の想い出を胸に、これからも生きていける。