四百年の誓い

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 「姫、私を許してくれ……!」


 それから果てしない、冬雅の懺悔の日々が始まった。


 異母弟の許婚。


 他人のものを愛してしまい、当主としての権力を悪用して引き裂いた代償は大きかった。


 冬雅は何もかも失ってしまった。


 弟も、最愛の女性も、重臣も、そして何より領民からの信頼も……。


 女に狂って弟や重臣を殺戮した領主を、領民たちは冷めた目で見るようになった。


 冬悟は領民にも愛される存在だった。


 当主である冬雅以上に。


 それが冬雅を焦らせ、時には苦しめていた。


 「冬悟さえいなければ」


 長らく心の奥底に巣食っていた、忌まわしい願い。


 それはいつしか成長し、増幅し。


 腹心・赤江の力を借りる形で、願いは現実のものとなった。


 もはや冬悟の存在に苦しめられることはなくなった。


 だがそれと同時に、冬雅は新たな苦悩を背負い込んでしまった。


 罪悪感という、死の瞬間まで付きまとう黒い影に。


 ゆえに冬雅は救いを求めた。


 この世のありとあらゆる神に。