四百年の誓い

 「永遠に来ないような気がしていた春を、今ようやく迎えた感じ」


 優雅はシーツの隙間から忍び込んで来て、再度美月姫の素肌を感じた。


 「会いたかった……」


 全ての美月姫の熱を、自らの腕の中に閉じ込めようとする。


 「もう無理だと思っていた」


 美月姫は優雅の腕の中で、優しく耳に降り注ぐ言葉を聞いていた。


 「勝手だよね。約束破って何も言わずに故郷を後にしたのは、俺のほうなのに」



 「うん……。あれはあまりに勝手すぎたね」


 今でもその時のことを振り返ると・・・つらくて苦しい。


 「大村さんは今、誰か付き合っている人はいるの?」


 突然、愛の余韻が醒めるような事を尋ねられた。


 「別に、」


 「大学とかで、色々出会いとかあるんじゃない?」


 「あまり興味ないし」


 「好きな人はいる?」


 「……」


 その時一瞬、去年の夏の圭介との思い出が美月姫の胸をよぎった。