四百年の誓い

 「本当に……いいの?」


 永遠に逃れることはできないと思っていた鎖が、もろくも消え去った。


 美月姫にはにわかには信じられなかったし、不安すら抱いていた。


 幹事長には優雅との将来を夢見てはならないと釘を刺され、その場限りの愛を交わすしか許されてはいなかった。


 だから何も望まないよう、心を抑えていたのに。


 「美月姫じゃないと、何もかもが色褪せる」


 優雅はさらに強く、美月姫を抱きしめた。


 そして振り返った。


 好きになり過ぎて苦しみたくなくて、別れも告げずに逃げ出した18の春。


 想いを断ち切るために一年以上連絡を絶ち、忘れようとした19の冬。


 互いの愛を確かめ合ったものの、周囲の事情により袋小路に追い詰められ、死すらも考えた二十歳の夏……。


 幾度となく愛の強さを試され続けてきた。


 この世では無理かもしれないとあきらめかけても、わずかに望みを繋いできた。


 すると運命は開けた。


 丸山幹事長が暴漢に襲われ、政治生命を断念するような大怪我を負った。


 その不幸な事件と引きかえに優雅は解放され、二人は自由を得た。