四百年の誓い

 ところが、


 「今度こそ、一緒に生きていこう」


 優雅は美月姫の手を取った。


 「優雅くん……?」


 美月姫は実感が湧かず、ただ無言で優雅を見つめ続けていた。


 「今まで俺のせいで、美月姫には散々嫌な思いをさせてきた。もう何にも邪魔させないから」


 突然優雅は美月姫を引き寄せ、抱きしめた。


 「待って」


 ここは観光客の集まる桜並木。


 舞散る花びらの中、行き交う通行人たちが呆れたような表情でじろじろ見るので、美月姫は恥ずかしかった。


 「大学もあるし、幹事長が任期を終えるまでは、俺が幹事長の手伝いをしなければならないこともある。だから今すぐというわけにはいかないんだけど、卒業したらすぐに迎えに来るから」


 二人が大学を卒業した直後に、ちょうど総選挙がある。


 次の当選者が確定し、丸山は任期を終える。


 そして優雅は解放される。


 「卒業したら、俺は北海道に戻ってくるから……結婚しよう」


 結婚。


 この世では望めないと思っていた。


 だからそばにいられるだけでいいのだと。


 美月姫は自分で自分を偽り続けていた。