四百年の誓い

 「これで俺は、自由になれる」


 優雅はふと空を見上げた。


 五月晴れの青空を、一羽の鳥が自由に舞っていた。


 「優雅くんは……。これからどうするの?」


 美月姫は恐る恐る訪ねた。


 与党幹事長・丸山乱雪の後継者という足かせが消えた今、優雅はようやく自由を手にした。


 美月姫もそれを願っていたはずなのに、いざ実際のものとなってみると不安を感じた。


 これまでは自由を奪われた狭い鳥かごのような世界の中で、二人は愛を育んできた。


 だけどこの鳥かごの扉が開かれたら?


 (もはや私にすら縛られる必要もなくなり、自由な世界へと飛び立ってしまうかもしれない)


 これまでは優雅の境遇を理解し、それでもなお優雅を受け入れた美月姫だからこそ、そばにいることができた。


 だがそのような制約がなくなれば、優雅の選択肢は拡がる。


 美月姫は自由を得た優雅が飛び去ることを恐れた。