四百年の誓い

 山を上りつめれば、いずれは下り坂に転じるのは世の常。


 「紫との間に生まれたお前が、類稀な才能を持ち合わせているのを知り、お前こそが私の権力を継承すべき存在だと確信した。私が手にした全てを譲りたいと願った」


 優雅が丸山王国を継承するまでに、王国を絶対的なものにしておきたかった。


 政治家生命も晩年に差し掛かりつつあった丸山は、焦った。


 焦りゆえに強引な手法に出た。


 独裁者であるため、反対の声は世論を突き動かしたりはしなかったが、水面下で密かに息づいていた。


 それは襲撃事件となって姿を現した。


 ……一時的とはいえ意識不明の重態に陥り、丸山は今まで自分がしてきたことをはじめて振り返ったらしい。


 自分は理想のために死ねると思ってはいたが、果たして優雅にも同じ道を強いていいものかと。


 「この命を理想のために捧げようと誓っていた。そのために命を落としても構わないとすら考えていた」


 そしてそれは、現実のものとなりかけた。