四百年の誓い

 「何とか持ち直して、事件から一ヶ月ちょっとで公務に復帰。とはいえ傷口は完全に塞がっておらず、怪我の後遺症で体力も落ちてしまったので、以前のような激務はもう厳しい」


 「そんな……」


 「まだ任期が残っているので、任期を終えるまで公務は全うするつもりだけど、次回は……」


 「それで、次回の総選挙には不出馬宣言を」


 美月姫はふと考えた。


 丸山幹事長の任期は、今季限り。


 次は?


 丸山幹事長が築き上げた地盤を継承するのは誰?


 丸山王国の次期支配者は?


 美月姫は優雅を見つめた。


 「退院前に幹事長は、俺をはじめて病室に呼び寄せてこう告げたんだ。後継者の話は、白紙に戻すと」


 「えっ」


 美月姫は聞き違いかと思い、聞き直した。


 「幹事長は、俺を後継者にする計画を、白紙に戻した」


 ゆっくりと、そしてよどみない声で優雅は美月姫に述べた。


 「まさか……」


 美月姫はにわかには信じられなかった。