四百年の誓い

 「まさか、こんなに急に」


 美月姫も驚きを隠せない。


 幹事長はすでに60代半ばを過ぎている。


 普通のサラリーマンや公務員ならば、すでに大部分が定年を迎えている年齢とはいえ、政治家には定年はない。


 しかも幹事長は同世代と比べると大変若々しく、日本全国飛び回って政治活動を執り行うエネルギッシュさに満ち溢れていた。


 ……永遠に続くような気がしていた、丸山王国。


 それがこのような形で、あっけなく終幕が見えてこようとは。


 「襲撃直後、幹事長は病院に運ばれて緊急手術を受けたのだけど、刺された場所が悪くて出血多量、一度は心臓が止まる瀕死の重傷だったんだ」


 「瀕死の重傷……」


 美月姫は息を飲んだ。


 そこまで重傷だったとは。


 幹事長の傷の具合はかん口令が敷かれていたのか、あまりニュースでも詳しくは伝えられなかった。


 「回復に向かっている」「退院間近」などとくり返され、実際よりもかなり軽症に報道されていた。