四百年の誓い

***


 ……。


 目が覚めた。


 ゆっくり開く瞼に、徐々に朝日を感じる。


 完全に瞼を開けた時、美月姫は瞳から涙が流れているのに気がついた。


 (私……?)


 夢を見ながら泣いていた。


 いつもは目覚めると、夢で見ていた内容などすっかり忘れてしまうのに。


 この日に限っては、やたら鮮やかにに記憶に残っていた。


 (あのお姫様の感情が、私の中に溶け込んで一つになっているみたい)


 夢の中で美月姫はお姫様になって、優雅によく似た若君に愛を誓っていた。


 優雅……?


 (優雅くん!?)


 慌てて横に寝ているはずの優雅の姿を確かめた。


 夢の中では、どうすることもできない力で引き裂かれた。


 その時の切なさ、悲しみが今でも胸に鳴り響いている。


 あの夢のように今もまた優雅が奪い去られたような不安を覚えて、美月姫は優雅の姿を求めた。


 (よかった。ここにいる……)


 隣で眠る優雅の姿を目に留め、美月姫はほっと息をした。


 穏かな表情で、まだ眠っている。


 (もう離れない)


 美月姫はそっと素肌を寄せ、優雅に抱きついた。