四百年の誓い

 「ごめんなさい。私のことを初芝先生、誤解してしまったみたいですね」


 「いいんだ。気にするな」


 「追いかけなくてよかったんですか?」


 「別にそこまで、」


 「先生、初芝先生と付き合っていたんですね。知らなかったとはいえ私の配慮のなさが原因です。本当にすみません」


 「え……」


 美月姫も逆に、圭介と静香の仲を誤解してしまったようだ。


 「待て、それは誤解だ。俺と初芝は何でもない」


 「ならばなぜ、こんな時間に先生のマンションに来るんですか? しかもそれ、手作りケーキですよ。かなり手間隙かけた……」


 圭介もケーキを再度眺めた。


 (この夜は想定外の出来事が多すぎる)


 丸山幹事長の襲撃事件。


 はじめて美月姫をマンションに伴った。


 するとマンションの前に静香がいた。


 静香をここに連れてきたことも当然ないのだが、教員名簿や年賀状を見れば、住所はすぐに割れるはず。


 それにしても、ありえない偶然が重なりすぎた。


 まさか美月姫と静香が遭遇してしまうとは。