四百年の誓い

 「……やっぱりそういう関係だったんだ。昔から噂になってたもんね」


 「違う。誤解だ」


 「言い訳しなくていいわよ。……お邪魔してごめんなさいね」


 「初芝!」


 圭介は静香を追いかけようとしたが、腕の中で泣き続ける美月姫をそのままにはできない。


 「私は通りすがりに立ち寄っただけだから、気にしないで。……大丈夫。大村さんとのことは、学校には黙っていてあげるから」


 「だから、違うって」


 「じゃ、また学校で」


 静香は足早に立ち去った。


 圭介は美月姫を抱えたまま、そこに立ち尽くすしかできなかった。


 やがて静香が運転してきたであろう車が、立ち去っていくエンジン音が圭介の耳にも届いた。


 「これは……」


 圭介は美月姫を腕に抱えたまま、先ほど静香が落としていったものを拾い上げた。


 何かの箱だ。


 圭介にプレゼントでも持ってきたのだろうか。


 中身は部屋に入ってから確認しようと、美月姫を抱く逆の手でその箱を抱え、部屋へと向かった。